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Ancient Curse

ANCESTRAL the 1st album in 2007 Release
★★★★★★★☆☆☆...(判断不可)

イタリアのメロディック・スピードメタル、アンセストラルの2007年発表の1st。


1999年に結成されたイタリアのアンセストラルは『Travel in a Forgotten Time』(2000)、『Breed of Chosens』(2001)なるデモを経て本作『The Ancient Curse』を2007年に「Underground Symphony」より発表した。圧倒的なスピードで構成されるアンセストラルのメロディック・スピードメタルは、メロディックなヘヴィメタルの世界観そのものを歪めかねない危険な破壊力を秘めている。『The Ancient Curse』はブラインド・ガーディアンとドラゴンフォースの音楽性をミックスしたようなサウンドだと形容されることも多々あるが、エピック・パワーメタルとメロディク・スピードメタルが融合した結末が本作に叩き出されている。歌詞では中世や古代への傾向を示す内容を扱っており、アンセストラルが単純に速いヘヴィメタルバンドではないことを強調している。しかしそれでもなお、強烈なスピードの印象のみが強く残るのは、我々の脳では仕方がないことだ。




1. Freeborn
荘厳なイントロダクションから一変、驚異的な疾走感でヒロイズムを大胆に突き上げる楽曲。中間部には劇的かつスリリングなツインリード・パートも持つ。
2. Lord Of Terror
破綻寸前のスピードで疾走する楽曲。キャッチーなコーラスも備えるが、あまりのスピードにその印象しか残らない。
3. The Ancient Curse
怒涛のスピードで展開されるタイトル・トラック。スピーディな曲調に勇壮なメロディが絡む。
4. Sanctuary Of The Kings
5. Achille's Fury (In Hector's Death)
アキレスとヘクトルの決戦を描く。攻撃的なリフから圧倒的なスピードで疾走を開始する。エピカルな雰囲気は完全に払拭されているが、ヒロイックなイメージは掴める。
6. Time Has Gone By
7. Jalwink's Fall
8. The Walls Of Troy
トロイアの滅亡を描く。人々はカサンドラの預言を信じることはなかった。破壊的なリフとメロディで疾走する楽曲であり、一部では高潔なパートも披露する。
9. Eleanor Rigby
ビートルズのカヴァー。メロディック・スピードメタル調のアレンジが斬新。



Review by Cosman Bradley
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アヴァンタジア パートII-ザ・メタル・オペラ-

AVANTASIA the 2nd album in 2002 Release
★★★★★★★★☆☆...(意欲作)

アヴァンタジアの2002年発表の2nd。


豪華なゲストと壮大なコンセプトで発表されたトビアス・サメットのメタル・オペラ・プロジェクトの第一作『The Metal Opera』(2001)は欧州で大成功を収め、続編となる次回作への期待は大いに高まった。トビアス自ら創作したファンタジー物語に加え、すべての楽曲を手掛けた彼の才能に誰もが生唾を飲んだ。そこに各ミュージシャンの完璧な演奏や歌唱が加味され、まさにアヴァンタジアは大きな飛躍を遂げた。アヴァンタジアのやっていることがエドガイの延長に過ぎないという非難は受けたが、それをも跳ね返す圧倒的なパワーが『The Metal Opera』にはあった。
アヴァンタジアの第2作目となる本作『The Metal Opera Pt.II』では、新しくゲストにボブ・カトレイ(vo:マグナム)を迎え、前作以上のスケールで壮大な世界観が披露される。古代ローマを舞台にしたアヴァンタジアの物語は終盤へと向かい、楽曲は緊張感や重厚感を増している。主人公のガブリエルは幻想的で精神的なアヴァンタジアの地で何を手にするのか、オペラティックなクワイアが紡ぎだす物語は、舞台役者の迫真の演技であるかのように聴き手を魅了していく。
トビアスの才能も素晴らしいが、ゲストの実力も安定したものだ。メロディック・パワーメタルの大御所たちはアヴァンタジアのために完璧な仕事をしているし、トビアスのやりたいことに忠実である。彼らとトビアスの壮大な創造性と意欲が見事に融合して本作『The Metal Opera Pt.II』という新しい名作がここに誕生した。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

我々が認識しなくてならないのは、飽くまで楽曲を作っているのはトビアス本人である、ということだ。前作で指摘されたエドガイと類似したサウンドは今作でも顕著であり、メタル・オペラ・プロジェクトらしい壮大さやエピックメタル的な世界観がメロディック・パワーメタルの領域を脱していないことは否定できない。スケール感の問題では大作"The Seven Angels"で十分に克服できるが、楽曲全体での構成や緻密さは欠如している部分が大いにある。元々トビアスはエドガイで活動してきた身なので、メロディック・パワーメタルの基礎には長けているが、伝統的なエピックメタルの範疇には属していない。詰まるところ、アヴァンタジアの音楽性は繊細さに欠け、単純なものであるのだ。そのキャッチーな明確さがメロディック・パワーメタルのファンには応えたのであろうが、本作が物語を描くドラマティックなヘヴィメタル作品である以上、このような大雑把な内容では完成品と呼ぶには相応しくない。当然の如く、メロディック・パワーメタルの中にもエピカルな作品を作るバンドはいるが、本当に劇的で芸術的な作品を作り上げようとしたのなら、『The Metal Opera Pt.II』の基準で推測すると従来のメロディック・パワーメタルでは適していない、ということになろう。




1. The Seven Angels
14分に及ぶ大作。ゲストが総出演し、ティモ・トルキ(vo:STRATOVARIUS)がギターソロを披露する本曲は、アヴァンタジアの集大成として受け止められる。
2. No Return
メロディアスなフレーズが連発するメロディック・パワーメタル。スピード感も十分。ファンなら間違いなく溜飲が下がる完成度の高い名曲だ。
3. The Looking Glass
4. In Quest For
5. The Final Sacrifice
ヘヴィなリフが歯切れよく刻まれ、エピックメタル界の大御所デイヴィッド・ディファイ(vo:VIRGIN STEEL)が歌う。トビアスの歌い方もディファイに類似しているが、エピカルウィスパーはハイトーンのトビアスには合わない。ヴァージンスティールと形容されても不思議ではない、高いドラマ性を模倣している点が特徴的。
6. Neverland
7. Anywhere
8. Chalice Of Agony
9. Memory
10. Into The Unknown



Review by Cosman Bradley
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アヴァンタジア-ザ・メタル・オペラ-

AVANTASIA the 1st album in 2001 Release
★★★★★★★☆☆☆...(定盤)

アヴァンタジアの2001年発表の1st。


アヴァンタジア(AVANTASIA)とはエドガイのフロントマン、トビアス・サメットのソロプロジェクトの総称である。エドガイとは独立して創作したファンタジーの物語について、トビアス・サメットはこのプロジェクトを通して様々なゲストに歌ってもらうことを考えていた。ようやくトビアスの願いが叶い、前代未聞の豪華なゲストを迎え、膨大な制作費を費やして完成されたのが本作『The Metal Opera』であり、これは壮大なメタル・オペラ・プロジェクトとして起動した。ゲストには実際のオペラと同じように配役が与えられており、それぞれの登場人物の台詞──厳密には物語はすべて会話ではない──が歌や合唱として成立する。バンドの演奏も一流のゲストによるもの。参加メンバーは主にトビアス・サメット(vo、key)、マイケル・キスク(vo)、デイヴィッド・ディフェイズ(vo:VIRGIN STEEL)、ヘニユ・リヒター(g:GAMMA RAY)、マーカス・グロスコフ(b:HELLOWEEN)、アレックス・ホルツワース(d:RHAPSODY)、カイ・ハンセン(vo:GAMMA RAY)、ティモ・トルキ(vo:STRATOVARIUS)、シャロン・デン・アデル(vo:WITHIN TEMPTATION)、アンドレ・マトス(vo:ANGRA)、オリヴァー・ハートマン(vo:AT VANCE)、ロブ・ロック(vo:IMPELLITTERI)。彼らの名前を聞いただけでも本作が傑作であることは確定した事実である。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

確かにアヴァンタジアは革命的な一大プロジェクトだが、『METAL EPIC』誌では本作よりも更にエピカルでドラマティックな作品を過去に数多く取り上げているし、話題性のみで本作を取り上げることはない。しかし、この作品がファンタジックな物語を描いたメロディックなヘヴィメタル作品という形式に沿っているので、本誌で取り上げる必要性は十分にあった。
アヴァンタジアの第一作『The Metal Opera』は、"オペラティックなヘヴィメタルのプロジェクト"というコンセプトを掲げている。過去にもこのような試みはあったが、我々は『The Metal Opera』の内容が典型的なメロディック・パワーメタルの踏襲に過ぎないことを指摘する。アヴァンタジアがトビアス・サメットの所属するエドガイの範疇を脱していないことは否めず、果たしてこれほどの豪華なゲストを迎えてまで本作を製作する必要があったのか、という疑問は未だに大きく残っている。当然、ドイツのメロディック・パワーメタル筆頭のエドガイのフロントマンによるアヴァンタジア・プロジェクトはこの業界でも大きな話題となり、各HR/HM専門誌でも特集が組まれ、欧州(特にドイツ)では異例の興行的成功を収めた。しかし我々が下した結論は、それが作品の内容を考慮した上での成功かどうかは分からない、ということであった。如何に博学なヘヴィメタルファンといえども、我々は「新作」や「話題作」というキャッチコピーに好奇心を乱される種族なのである。
間違いなく『The Metal Opera』はメロディック・パワーメタル作品として優れている。楽曲が単体でも十分に機能するほどの充実した完成度を誇っており、大仰なクワイアはキャッチーだ。しかし、この高額なプロジェクトがエピックメタル的な作品として機能するのであれば、我々の知る貧相なバンドたちはもっと良いものを作るであろう。迎えられたゲストの中にそう考えていた者がいても何らおかしくはない。同業者として、ヘヴィメタル作品の世界的な成功は素直に喜ばしいものだが、我々は才能ある影に光が差し伸べられる日をずっと待ち続けている。




1. Prelude
シンフォニックなイントロダクション。コンセプトに沿ったローマ時代の雰囲気がある。
2. Reach Out For The Light
メロディックなリフを伴ったスピード・メタル。各所にオペラ的なクワイア・パートを含む。冒頭のインパクトとしての完成度は高い。
3. Serpents In Paradise
テンポよく行進するメロディック・パワーメタル。音楽性は非常にエドガイに近い。後半はデイヴィッド・ディファイのパートが登場し、曲調もエピカルさを十二分に発揮する。本曲はメタル・オペラ・プロジェクトが生んだ最高峰の名曲に値する。
4. Malleus Maleficarum
5. Breaking Away
6. Farewell
7. The Glory Of Rome
スピード感とシンフォニックな雰囲気が漂う楽曲。勇壮なサビのクワイア・パートは印象深い。後半は更に大仰にクワイアが展開する。
8. In Nomine Patris
9. Avantasia
キャッチーなメロディを持ったアヴァンタジアのテーマ的楽曲。サビのクワイアは非常に馴染み易い。ちなみに「アヴァンタジア」とは、トビアス・サメットが創作した異世界の王国の総称である。首都はセシドバナ。本作では古代ローマとアヴァンタジアを舞台にして物語が進んでいく。
10. A New Dimension
11. Inside
12. Sign Of The Cross
13. The Tower



Review by Cosman Bradley
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Holy Land

ANGRA the 2nd album in 1996 Release
★★★★★★★★★☆...(傑作)

アングラの1996年発表の2nd。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

「"ホーリーランド"というのは実際にある国ではなく、人々の心の中にある国なんだ」
アングラの第2作目にあたる本作『Holy Land』について、アンドレ・マトス(vo)は過去に興味深いことを述べている。ブラジルの過去、現在、未来を叙事詩的に描いたコンセプト・アルバムである本作は、情熱的な民族主義と愛国心に溢れた作品であり、世界中にブラジルという国を認知させることに大きく貢献した。叙事詩的なヘヴィメタルから人間の本質、及び起源を探ることに研究を重ねてきた我々は、本作がその終りなき過程において幾つか重要な意味を持つことを知った。"ホーリーランド"の思想は、紛れもなく我々にとって空想上の理想郷を指し示しており、多くの人間がこれまでに小説や絵画を通してその世界を表現しようとしてきたものである。いかなる人間にでも"ホーリーランド"は存在する可能性がある。しかし、現実という必然性によってそれらを破壊してきたのは、過去も現在も無慈悲な我々であった。
アンドレ・マトスは本作において、この『Holy Land』を通して人間の本質を見出して欲しいと考えている。その例として、16世紀のルネッサンス時代を背景にしているが、芸術的な作品からそれらの真実を引き出すことの可能性についても指摘している。芸術とは人間の最も根源的な想像力や信仰心から生み出されたものだが、それらの断片にこそ人間の本質が宿っているというのである。人間を縛り付ける法律や社会性が我々を軍人めいた役人に変えてしまった現在、芸術的作品に対して人間の極めて抑圧されない部分が解放されるということはあろう。多くのヘヴィメタル作品が攻撃的な人間の本質を包み隠さず表現してきたように、かつての古代ギリシア人らが野蛮ながらも築き上げた芸術の礎を、本作は未来への跳躍という意味合いで用い、深遠なヘヴィメタルとクラシック音楽との融合で完成させた、奇跡的な一大叙事詩なのである。我々は本作を何度も聴き、整然と整った楽曲の奥深くに眠っている真の意味を探し出さなくてはならない。


1. Crossing
16世紀の作曲家、パレストリーナの楽曲をモチーフとしたイントロダクション。内容は、インディアンが遠い国々の音楽を耳にするという設定である。
2. Nothing To Say
アメリカ大陸発見の後、スペイン人らによってアメリカ原住民は虐殺され、その文明は滅亡した。ブラジルのパーカッションを取り入れた緻密なメロディック・パワーメタルである。その疾走は軽やか。
3. Silence And Distance
生命の源である海について歌う。静寂に包まれた冒頭部分は、恰も広大な海洋であるような雄大さを物語っている。また民族的なエッセンスに満ちたヘヴィメタル・パートは、本作でも出色の出来である。アングラは独特な音楽性を極めて繊細にまとめ上げている。
4. Carolina IV
タイトルは船の名前に由来し、本曲はその航海を描いたものである。ラテンのリズムを大胆にアレンジした大作であり、本作を代表する傑作であろう。まさにアングラの音楽的ルーツを感じさせられる独特の内容を有する。
5. Holy Land
アンドレ・マトスが語るには、"ホーリーランド"はすべての人種を一つにしてくれるという。本作はブラジルの文化や歴史を世界に認知させるという目的もあるが、その試みは深淵で素晴らしい本曲によって間違いなく成功した。フルートの音色も相俟って、民族的かつ神秘的な雰囲気を醸し出している。
6. The Shaman
インディアンの呪術師についての楽曲。古い世界の民族には、神の代弁者が必要不可欠であった。強力なメロディを秘めた楽曲であり、後半には実在の呪術師の肉声も登場する。スリリングな展開は強烈に耳を惹きつける。
7. Make Believe
オルガンを使用した、古い時代を彷彿とさせる楽曲。
8. Z.I.T.O.
バロック的なスピード・メタル。前作で提示したヘヴィメタルとクラシックの融合というスタイルの発展型である。流麗なマトスの歌唱によって、楽曲は説得力に溢れている。
9. Deep Blue
死は新たな時代の始まるきっかけでもある。果たして、その時代がルネッサンス時代に似通ったものであるか否かは、誰も知るところではない。神聖な雰囲気を醸し出すバラードである。作品の終盤に向けてバラードを導入するところは、コンセプト・アルバムらしい。
10. Lullaby For Lucifer
善と悪の共存。波の音が静かに聴こえてくる箇所は、#1"Crossing"に繋がる。その瞬間、我々は物語が一つ終わったことを知る。



Review by Cosman Bradley
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エンジェルズ・クライ

ANGRA the 1st album in 1993 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

アングラの1993年発表の1st。


ヘヴィメタルが世界進出した事実を物語るように、アングラのヴォーカリストであるアンドレ・マトス(vo)が以前に在籍していたバンド、ヴァイパーも南米のブラジルの出身であった。ヴァイパーはクラシカルなメロディック・パワーメタルのスタイルで人気を博したバンドであり、その圧倒的な作品の完成度故に根強いファンは多く存在した。その卓越した楽曲群の大部分を担っていたのは、間違いなくアンドレ・マトス本人であったことは間違いない。
ヴァイパーを脱退したアンドレ・マトスはクラシック音楽を深く学び、新たに結成したバンド、アングラで第一作『Angels Cry』を発表した。ガンマ・レイのカイ・ハンセンらが一部で参加した本作は、メロディック・パワーメタルの伝統を踏襲したものであった。しかし、アンドレ・マトスのクラシックに対する深遠な学習は、本作の個性的なヘヴィメタルを創造することにおいて大きな効果を発揮し、各所で魅力的な旋律の導入や有名作曲家の楽曲をアレンジするに至っている。母国ブラジルのラテン音楽や民族的リズムを導入したことも、アングラの根本的な音楽のルーツを表現する意味合いにおいて成功を収めた。細分化したヘヴィメタルにおいても、民族的アイデンティティは忘れてはならない。アングラはそのことを良く知り及んでいたようだ。
疾走するメロディックなリフに壮麗な古典音楽風の旋律が乗る様は、長らく伝統的な分野であり続けたヘヴィメタルに新たな風を吹き込んだ。我々がこれらのスタイルをヘヴィメタルとクラシック音楽の本格的な融合であると指摘するようになるためには、この分野が認知されるのに加え、ある程度の時間を費やしたが、やがて本作をその代表的作品として認めることに落ち着いた。本作は、ヘヴィメタルの歴史の変化を描いた、ある一つの時代の絵画の切り抜きのような、記念碑的な作品なのである。


1. Unfinished Allegro
シューベルトの交響曲第8番"未完成"の第1楽章をモチーフとした劇的なイントロダクション。
2. Carry On
ヘヴィメタル史に残る名曲。壮麗なまでに美しい旋律が激流となって、一瞬のうちに聴者の肢体を駆け巡る。アンドレ・マトスの透き通る声は、芸術的な楽器の如き神妙さである。
3. Time
早くもブラジルらしさが浮き彫りとなっている楽曲である。バンドの実力の他に、この個性が他のバンドと一線を画す原因となったことは、多くの者が知る限りである。
4. Angels Cry
バンド名でもあるタイトルは、ブラジル神話の火の女神を起源としている。楽曲はハロウィンからの影響が顕著なものだが、タイトル・トラックに相応しい劇的な名曲に仕上がっている。
5. Stand Away
ブラジルの古謡的なパートで幕開け、次にクラシカルに展開する。アングラはラテン音楽を巧くメロディック・パワーメタルに取り込んでいる。その情熱的な曲調が更なる高揚感を生み出すことになった。
6. Never Understand
静かに盛り上がる佳曲。プログレッシブな内容も含む。本作の楽曲の完成度には驚かされるものが多々ある。
7. Wuthering Heights
ケイト・ブッシュのカヴァー。この世界的名曲をアンドレ・マトスが歌おうものなら感動は必至であろう。
8. Streets of Tomorrow
メロディアスなフレーズとクラシック、更にはブラジル音楽の雰囲気も宿した楽曲である。静と動を駆使した楽曲の構成も素晴らしいの一言に尽きる。ギターソロのメロディも非常に質の高いものだ。
9. Evil Warning
ジャーマンメタルをベースとしながらも、自己流にアレンジしたメロディック・パワーメタルが見事に花開いたともいうべき名曲。疾走するドラマティックなリフにラテン音楽的旋律が加わる個所は斬新である。
10. Last Child: I the Parting Words/II Renaissance
クラシックからの影響を覗かせる古典的なバラード。組曲であり、緩急に富んだダイナミクスを駆使している。作品の幕引きとしては、余韻を残す手法であり申し分ない。



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ハロウィン・エクスパンディッド・エディション・コレクション 守護神伝-第二章

HELLOWEEN the 3rd album in 1988 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

ハロウィンの1988年発表の3rd。


ドイツのハロウィンの第2作目にあたる前作『Keeper of the Seven Keys Part Ⅰ』(1987)は、内容の充実と同じく商業的な成功を収めた数少ないヘヴィメタル作品であった。我々は売上数を用いて作品の内容を考慮することはまずないが、『Keeper of the Seven Keys Part Ⅰ』は世界で50万枚、本作『Keeper of the Seven Keys Part Ⅱ』は70万枚以上(これは正確な値ではない)を売り上げたという記録が残っている。結果的に、本作を含めた「守護神伝」作品がヘヴィメタルの認知を広めた事実は疑いようがないことになる。
御存知のように『Keeper of the Seven Keys Part Ⅱ』はコンセプトアルバムである。本作に収録された伝説的な名曲"Keeper Of The Seven Keys"が物語っているように、内容は非常に興味深い。この楽曲を作ったのはマイケル・ヴァイカート(g)であり、彼は敬虔なカトリック教徒であった。"Keeper Of The Seven Keys"の物語は、一人の勇者が預言者──前作のカヴァー・アートワークに描かれた魔術師めいた人物である──に導かれて、人間の7つの大罪を7つの海に封印する──鍵をかけるとも解釈できる──というものである。人間の7つの大罪を司っているのが邪悪な悪魔であり、探求であるように勇者はこれに立ち向かっていく。我々は制作者のマイケル・ヴァイカートをカトリック教徒だと言ったが、本曲の勇者とはイエス・キリストのことを表しており、悪魔とは人間にとって最も忌むべきものを表している。楽曲中に登場する7つの大罪とは傲慢、嫉妬、憤怒、色欲、怠惰、貪欲、暴食であり、それが瘴気のように沸き立つ7つの海に邁進し、守護神(Keeper)であるイエスは鍵をかけなくてはならない。詰まるところ、"Keeper Of The Seven Keys"とはキリスト教の聖人伝なのである。
古くからブラックメタルが悪魔崇拝を掲げてきたように、メロディック・パワーメタルがキリスト教を崇拝する方向性を本作において見出していたことは、見逃してはならない事実である。我々は更に追求する。ハロウィンの「守護神伝」作品が後のメロディック・パワーメタル、メロディック・スピードメタルの方向性を決定づけたとするなら、キリスト教的思想をも継続されている可能性は否定できない。反キリスト思想を標榜するヘヴィメタルが存在する一方、キリスト教を受け入れているヘヴィメタルも存在するということを、本作は証明しているのである。ブラックメタルに対極するライトメタル然り、世界における新旧のパワーバランスをヘヴィメタル・シーンは如実に物語っていたのである。


1. Invitation
物語のプロローグ的な勇敢なイントロダクション。ヒロイックな印象を受ける雰囲気は注目に値する。
2. Eagle Fly Free
ハロウィンの魅力を凝縮した完璧なトラック。マイケル・キスク(vo)の伸びやかなハイトーンが、自由を象徴する鷹のように高らかと飛翔する。
3. You Always Walk Alone
佳曲。
4. Rise And Fall
ジャーマンメタルらしいキャッチーさがある。
5. Dr. Stein
メアリ・シェリーなどの小説で登場するフランケンシュタイン博士を扱った楽曲。ドラマティックな旋律からは勇ましさを感じる。
6. We Got The Right
哀愁に溢れたバラード調の楽曲。後半にかけての盛り上がりは秀逸だが、勇ましく、もの悲しいところはドイツの特色か。
7. March Of Time
時間とは人間に平等に流れるものである。高揚感を覚える疾走に勇壮なコーラスが乗る。
8. I Want Out
キャッチーな楽曲故にポップメタルなどと形容されたが、上手くまとまっている。
9. Keeper Of The Seven Keys
ハロウィンの最高傑作であり、歴史的名曲である。目まぐるしい展開を纏いながらヒロイックに進行していく様は、壮大な幻想冒険譚とでも形容できよう。サビの高揚感は特筆に値する。勇敢な戦士を主人公とした大作RPGを想像しても間違いではないが、エピローグを交えた見事な起承転結の圧倒的な構成力には恐れ入る。興味深いのは、楽曲中に登場する「幻の預言者が盲目になる前に言った」という意味深な言葉であり、長衣の魔術師は後に盲目となって"亡者の守護神(Blind Guardian)"となったことを暗示しているということである。彼は盲目故にローブの中が黒いのであろうか。



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ハロウィン・エクスパンディッド・エディション・コレクション 守護神伝-第一章

HELLOWEEN the 2nd album in 1987 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

ハロウィンの1987年発表の2nd。


本作『Keeper of the Seven Keys Part Ⅰ』は、世界で極めて有名なヘヴィメタル作品の一つである。どの分野にも代表的なバンドは存在するが、メロディック・パワーメタルにおいてはドイツのハロウィンが特に有力となろう。そしてハロウィンの本作を含む二部作は、それらの分野において革命的な作品であったことはもはや疑いようがない。
カイ・ハンセン(g)、マイケル・ヴァイカート(g)の偉大なギタリストによる強力なツインリードが踊り、新たに加入したマイケル・キスク(vo)の雄々しいハイトーンが劇的に乗る本作は、後のメロディック・パワーメタルのスタイルを方式化した。馴染みやすいメロディ、爽快な疾走感、コンセプチュアルな内容、それが即ちメロディック・パワーメタルであったということである。


我々が長らく気にかけていたことは、カヴァー・アートワークに描かれたローブの魔術師であった。この不思議な人物は幻想的な物語を導くが、古典的なファンタジーの語り部や賢者と役割が似通っている。始祖であるハロウィンがこういった世界観を用いたことは、特にメロディック・パワーメタルが欧州ファンタジーに傾向している事実を証明していることになる。このイメージを後のブラインドガーディアンが踏襲したことは想像に難くない。
なお本作は2006年にエクスパンデッド・エディションで再発され、大幅に音質が向上した。この際、4曲のボーナストラックが新たに収録されている。


1. Initiation
アルバムの序章。
2. I'm Alive
ドラマティックなイントロダクションから強力な名曲への流れは、後のメロディック・パワーメタルでは定番となる。
3. A Little Time
4. Twilight Of The Gods
5. A Tale That Wasn't Right
6. Future World
7. Halloween
本作のハイライトともいうべき大作。劇的なツインリードと構成力を有し、ハロウィンを代表する名曲である。
8. Follow The Sign
次作へと繋がるRPG的なエピローグ。



Review by Cosman Bradley
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ウォールズ・オブ・ジェリコ&ジューダス~エクスパンディッド・エディション(紙ジャケット仕様)

HELLOWEEN the 1st album in 1986 Release
★★★★★★★★☆☆...(名作)

ハロウィンの1986年発表の1st。


これまで認知力に乏しいカルト的作品を数多く取り上げてきた『METAL EPIC』誌が、今回のようにメジャーな作品のレビューをすることは稀であるかも知れない。しかし、我々の最終目標はすべてのヘヴィメタルの分野のレビューを完成させるという大胆な挑戦であり、何れはあらゆる作品の個性的なレビューがクレジットには並ぶはずである。
今では、メロディック・スピードメタルの始祖とまで崇められるドイツのハロウィンのデビューは、『Helloween』(1985)と題される小さなミニ・アルバムであった。この作品に収録された哀愁たっぷりのいかにも若者といった感じの武骨なヘヴィメタルは、後の成長を大きく感じさせるものであったと、我々は記録している。翌年発表された本作『Walls Of Jericho』に至っては、まさに強力な一品であり、"Ride The Sky"のスピードには参ったものだ。
時は流れ、ハロウィンの名は売れて有名となったが、嬉しい機会にも恵まれた。2006年には過去の作品が素晴らしいリマスター作業によって再発され、我々はそれらを手にすることになった。本作はその第一作目であり、『Helloween』、『Walls Of Jericho』、EP『Judas』を一纏めにした豪華な作品である。何れもヴォーカルはガンマ・レイでも活躍するカイ・ハンセン(vo、g)がとっていた時代のものだ。メロディック・スピードメタルと形容された強烈なパワーと一緒に、是非ともハロウィンの軌跡を辿って頂きたい。


1. Starlight
2. Murderer
3. Warrior
4. Victim of Fate
ガンマ・レイのライブでも演奏される名曲。ドラマティックな展開は既に開花している。
5. Cry for Freedom
6. Walls of Jericho
7. Ride The Sky
ハロウィンの代名詞的な名曲。超絶なスピードで押す。
8. Reptile
9. Guardians
10. Phantoms of Death
11. Metal Invaders
12. Gorgar
13. Heavy Metal (Is the Law)
14. How Many Tears
大作。
15. Judas



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パワー・プラント

GAMMA RAY the 6th album in 1999 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

ガンマ・レイの1999年発表の6th。


アイアン・メイデンやジューダス・プリーストとの音楽面での共通点を度々指摘されてきたドイツのガンマ・レイだが、コンセプトに至るまでアイアン・メイデンを踏襲しなかったといえば嘘になろう。アイアン・メイデンのスフィンクスの如く構える名作『Powerslave』(1984)は、興味深いことに古代エジプトの神話や伝承を詩に取り入れ、ここに王の棺のように置かれたガンマ・レイの第6作目にあたる本作『Powerplant』と共通する。前作『Somewhere Out In Space』(1997)で大胆にも宇宙を舞台としたガンマ・レイは、正統派メタル(Classic Metal)の伝統につくづく沿うことを決意したようである。
古代の神話や伝承をモチーフとしたヘヴィメタルの歴史は古いが、メロディック・パワーメタルに属するガンマ・レイはその礎を更に発展させることに成功した数少ないバンドに所属する。故に圧倒的なパワー、スピード、メロディの三位一体がここに成立したのである。海外ではガンマ・レイのスタイルをエピック・メタルと関連性を持って指摘する記者が数多いが、ここに表現された神秘的分野との見事な共存、劇的なストーリーテリング能力を体感すれば、それは間違った評価ではないことが分かる。本作『Powerplant』は間違いなくガンマ・レイの最高傑作であり、アルマゲドンの如く聴者を怒涛の天変地異で襲い、ガンマ・レイの名を脳裏に焼き付けることが既に預言されている。なぜなら、我々、如何なる場合も忠実であり続けたメタルファンは"Send Me A Sign"で啓示された預言を受け取ることになっているからである。
なお本作は他の6枚のアルバムと共に2002年にリマスター再販され、ジャケットの変更とボーナストラックの追加が行われた。12曲目よりボーナストラックに該当する。


1. Anywhere In The Galaxy
神秘的な宇宙観とスペース・オペラ的なコーラスを伴って展開される傑作。ヘヴィなリフが強烈なフックを放ち、サビでの雄大なメロディがディレク・リッグス(アイアン・メイデンのカヴァー・アートも手掛ける)によるアルバム・ジャケットの暁の夜空の景観を映し出す。中間部から入るソロパートは絶品。ガンマ・レイの古代神話及び宇宙を題材としたドラマティック・メタルが終ぞ完成したことを告げる楽曲である。
2. Razorblade Sigh
ヘヴィネスとスピード、メロディを絶妙に合わせながら、神秘的な雰囲気を醸す。パワー、スピード、メロディの三位一体を極限まで高めた楽曲である。後半のテンポチェンジも含め、完璧なドラマを描く。恰もSF小説であるように、絶え間ない興奮が襲う。
3. Send Me A Sign
悠久の太古の宇宙観、そして神聖な神の啓示を歌う。これらの世界観は、幼い我々が思い描くSF世界──例えば、アーサー・C・クラークを代表とする60年代SFの世界──そのものである。中間のソロパートは宇宙的ロマンティシズムを表現した至高のものである。
4. Strangers In The Night
エジプシャンの古代風な雰囲気を伴い、地下納骨所で何かがうごめくように、スピーディなリフが大仰に駆け巡る。ブリッジからサビへの展開はオペラのように完璧である。例外にもれず、中間部のソロパートで大仰さが爆発する。恰も古代王朝の如き荘厳な雰囲気を醸す。
5. Gardens Of The Sinner
恰も古代神殿の錆びた門が開かれるように幕開ける。ドラマティックな緩急を多用し、壮大なサビへと導く。その世界観は、失われた古典劇を拝見しているようである。クライマックスでの雪崩込みはまるで凄絶な砂塵のよう。もはやエピックメタルと形容しても差し支えない。
6. Short As Hell
不穏な雰囲気と共に、ジグザグのリフが歯切れ良く刻まれる。古代の頽廃した王朝の雰囲気も漂う。
7. It's A Sin
雄大な哀愁に満ちたカヴァーだが、本作の世界観にあて嵌めるところはガンマ・レイらしい。
8. Heavy Metal Universe
マノウォーからの影響を思わせるメタル・アンセム。"ファンと共に歌うヘヴィメタル"というオーソドックスなテーマをガンマ・レイ流にアレンジした本曲だが、シリアスな古代神話を扱う本作には蛇足であった。
9. Wings Of Destiny
楽曲はクライマックスへ向け緊張感を増す。その手始めが本曲である。シリアスさと迫真性を強調した本作は、最終大作"Armageddon"へ至る終焉を隕石の如き軌道で描く。崇高な楽曲は、果たしてメロディック・パワーメタルの括りに結び付けていいものなのか。以下の三曲は、ガンマ・レイの歴史において最もシリアスな展開である。
10. Hand Of Fate
世界の終焉へ向けて告げられる啓示とも例えられる。雰囲気そのものが破滅を奏でている。重厚に進み、サビで神妙なクワイアが襲う。次への布石であるエピローグの静寂は、異様な不気味さを醸し出している。破滅の前夜は、こういった永遠の静寂と微風が垂れ込むのであろうか。
11. Armageddon
ガンマ・レイの最高傑作であり、すべての集大成。世界の終末の可能性を描くという点では、ブルース・ウィリスの『Armageddon(邦題:アルマゲドン)』(1998)と共通するのではないか。まるで原始の大地を滑走する恐竜の轟きの如き展開であり、天地を揺るがすリフの暴風は驚嘆に値する。本曲は始めて拝聴する新参者を眩暈で襲うであろう。最後の静寂に包まれたパートの壮絶さは、是非一聴して頂きたい。メロディック・パワーメタル、オペラ、古代からのインスパイア、すべてを極めたガンマ・レイが完成させた一大叙事詩である。
12. A While In Dreamland
正直なところ、本作の素晴らしい雰囲気を損ねるボーナストラックの配置は不必要である。
13. Rich And Famous
14. Long Live Rock'n Roll



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サムホエア・アウト・イン・スペース

GAMMA RAY the 5th album in 1997 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

ガンマ・レイの1997年発表の5th。


ホースオペラ(西部劇)があるように、スペースオペラ(宇宙活劇)も存在してきた。どちらも過ぎ去った時代のものだが、代表的なスペースオペラであるバロウズの『火星(Barsoom)』シリーズは、1920年代に発表されたものだ。同じように過去の遺産であるヘヴィメタルも、時代の流れと共に衰退を余儀なくされた。しかし我々は忘れていたのだ。これらの素晴らしい文化が、決して消滅しないということを。古代から継続されてきた秘密結社のように、密かにヘヴィメタルは受け継がれてきた。そしてヘヴィメタルの偉大な文化は、原初の猿人が人類へと進化したように、驚くべき飛躍を遂げた。我々がトレンドに翻弄されている中で、ヘヴィメタルは試行錯誤してきたのだ。過去の芸術的な産物の源流が、やがてはヘヴィメタルの血脈に合流し、巨大な湖となった。ハワードの生みだしたヒロイック・ファンタジー、人間味に満ちた北欧神話や民族間の伝承、そして、かつて隆盛を誇ったSFまでをもヘヴィメタルは取り込んだ。SFとヘヴィメタルの融合という分野において、アイアンメイデンの功績は讃えるべきものであった(同じように、ヒロイックファンタジーとヘヴィメタルの共存に挑戦的に挑んだマノウォーの功績もである)。
時代は再び流れたが、強大なるドイツのメロディック・パワーメタルバンド、ガンマ・レイもSFに傾向したヘヴィメタルを継承したものの一人である。過去の作品で技術を磨き続けたガンマ・レイは、新たなメンバーとしてヘニュ・リヒター(g)、ダニエル・ツィマーマン(d)という傑出した人材を迎え、第5作にあたる本作『Somewhere Out In Space』で本格的な銀河の探求に赴くことにした。以前から魅力を放ち続けたオペラティックが手法が壮大な宇宙観と共に炸裂し、銀河の星々のように煌くロマンティックなギターメロディが我々を未知の世界へと導く。我々はガンマ・レイの素晴らしい楽曲と共に宇宙の様々な諸惑星を巡り、最後には巨大なブラックホールに呑み込まれるであろう。そして運が良ければ、ブラックホールに分解された粒子が母なる地球に帰還することもあろう……


1. Beyond The Black Hole
スペースオペラの開幕となる壮大なメロディック・パワーメタル。ガンマ・レイの黄金期を告げる。
2. Men, Martians And Machines
煌くメロディが炸裂する名曲。
3 No Stranger(Another Day In Life)
宇宙観が壮大な軌道を描く。
4. Somewhere Out In Space
大仰極まる展開とスピードに乗せてドラマティックに歌い上げるスペースオペラ。恰もオペラ劇場での公演を見ているかのような、凄まじい展開力である。圧倒的なパワー、メロディの質、楽曲の構成、すべてが名曲に値する。
5. The Guardians Of Mankind
宇宙のロマンティシズムを儚いメロディで描く。静から動へ、ブリッジパートの出来は飛び抜けている。中間部からの盛り上がりの様は、まさに宇宙活劇をヘヴィメタルで描いた結果である。
6. The Landing
コーラスによる小曲。
7. Valley Of The Kings
神曲。ヴァースからコーラスに至るまで完璧な軌道を描く。古代の厳かさと宇宙の神秘性が神妙に融合した奇跡的な楽曲である。メロディック・パワーメタルのファンであるなら、中間部のソロパートは必聴であろう。古代エジプト的なピラミッドと神像という、意味深なアルバム・ジャケットのイメージは、ここから持ち込まれたものなのかも知れない。
8. Pray
神秘的な雰囲気が感動を誘うバラード。銀河の雄大な景観を彷彿とさせる旋律が、失われた古典的なSFの世界を思い出させる。
9. The Winged Horse
8分に及ぶ大作。古代神話とエイリアンというコンセプトに忠実な楽曲だが、何れも、コンセプトにそぐわない楽曲は本作には収録されていない。
10. Cosmic Chaos
ダンによるインストゥルメンタル。外宇宙から聞こえるドラムスであるという。
11. Lost In The Future
ヘヴィなパワーとスピードで押す。
12. Watcher In The Sky
カイ・ハンセンとピート・シールクによるプロジェクト、アイアン・セイヴィアーの第1作『Iron Savior』からの名曲を選出。正統派パワーメタルの剛直なスピードに力強いメロディが乗る。後半からの展開は情熱的である。
13. Rising Star
次曲へと繋がるインスト曲。
14. Shine On
本編の最後を飾るに相応しい壮大な一大宇宙活劇。速弾きのリフに絡むピアノによる旋律が、神秘的に宇宙の光景を映し出す。オペラティックなコーラスは叙事詩的な物語を優雅に描き、ヘヴィメタルで一つとなる。SF映画の如き感動巨編である。
15. Return To Fantasy
以下はボーナストラックである。2002年のリマスター再販の際に新たに追加された。
16. Miracle
17. Victim Of Changes



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ランド・オブ・ザ・フリー

GAMMA RAY the 4th album in 1995 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

ガンマ・レイの1995年発表の4th。


これまでに多くのヘヴィメタル作品で"自由"の精神性が歌われてきたが、根本的な自由のあり方が本作『Land Of The Free』に含まれている。我々の前には言語力、表現力、理解力等多くの障害が残されているが、それを乗り越えてガンマ・レイは自由のあり方を提示したのである。博学な精神学者が学術的な用語で自由について述べるのは簡単なことだが、実際に手にすることは難しい。そもそも自由の根源的な意味を理解しなくてはならないし、本来あるべき姿の自由の実像を捉えるのは更に困難を極める。しかし本作『Land Of The Free』には、我々が望む最も簡潔な言葉でその自由が表現されている。私が手引きできるのはここまでで、真実は己で手にしなければならない。仮にも娯楽のみを求めている人々にとって、本作のようなおとぎ話は一銭にもならない。
ドイツのガンマ・レイはメロディック・パワーメタルシーンで長く活動してきたが、第1作『Heading For Tomorrow』(1990)を差し置いて傑作は誕生しなかった。ラルフ・シーパース、ダーク・シュレヒター(b)という素晴らしい人材に恵まれながらも、その才能が爆発するということはなかった。更にラルフは第4作が発表される前にバンドを去った(*)。残された中心人物のカイ・ハンセン(vo,g)は、自らがヴォーカルとギターを兼任する方法でアルバムの制作作業を続けた。右腕のダークもそれに倣い、作業は首尾よく続行された。ハロウィン時代にも活躍したマイケル・キスクは再びヘヴィメタルの世界へと舞い戻り、"Time To Break Free"のヴォーカルを見事に演じて見せた。ここに完成したガンマ・レイの第4作『Land Of The Free』は、バンドの歴史における最重要作であり、ヘヴィメタル史を眺めても名を連ねるに値する大作である。カイ・ハンセンという一人の男が理想としたヘヴィメタル像が、自由を叫ぶ反逆者となって馴染みの荒野に舞い戻ってきた。帰還した男が手にしていたのは一本のギターであり、一冊のおとぎ話の本であった。そしてそのヘヴィメタルの歴史のように古臭い本が、本作『Land Of The Free』なのである。

*才能のあるラルフは、Primal Fear(プライマル・フィア)という新たなヘヴィメタルバンドで成功を手にして久しい。


1. Rebellion In Dreamland
"夢の国の反逆者"と題された壮大な大作。夢の国は我々の心の中に存在し、誰もがその自由な国を求めている。現実での反逆者が、夢の国を訪れるというのである。全体を包む神聖な雰囲気は、夜霧のように執拗に聴者を捉える。後の百ものバンドが後半の劇的な転調に従ったといわれる。
2. Man On A Mission
死ぬことも、生きることも、選択する自由がなければ意味を持たない。自由とは与えられるものであるのか。スピードメタルとオペラの流麗な融合であり、唯一無二の名曲をガンマ・レイは生み出した。
3. Fairytale
おとぎ話を現実にするべく我々は何か行動を起こすことはできる。雪崩込むようなスピードと相俟って、小曲でありながらも強烈なインパクトを放つ。
4. All Of The Damned
印象的なアルペジオのメロディで幕開ける。王は必ずしも市民の意思を考慮しているというわけではない。陰鬱な雰囲気の中にも聖歌的コーラスの優雅さが光る。
5. Rising Of The Damned
ピアノによる神聖なインストゥルメンタル。クラシカルであり、ファンタジー作品に登場する楽曲のような印象を受ける。前曲とタイトルが似通っているが……。
6. Gods Of Deliverance
神は時に人間を解放的な気分にさせてくれる。最も、信仰という縛りを与えるのだが。重厚なリフの壁が高揚感を誘発し、厳かなサビのコーラスで存分に聴かせる。中間部のハーモニーも良い。
7. Farewell
自由の地(Land Of The Free)への探求に赴く男を、叙情的なバラードで歌いあげる。幻想的な楽曲のように、その地は朧気に揺らめいているが、中には探求心に負ける者もいるであろう。
8. Salvation's Calling
オペラの音楽性が如何にガンマ・レイのヘヴィメタルに影響を与えているかが窺える。ガンマ・レイはオペラをスピーディにアレンジすることで、より充実した高揚感を手に入れることに成功したのだ。
9. Land Of The Free
マイケル・キスクがコーラスを歌う楽曲。サビの聖歌的な神々しさは、荒涼とした砂漠の中で理想郷を発見したような気持ちを抱かせる。また、その恍惚感は、自由を手にした探求者の歓喜であるかも知れない。崇高な名曲である。
10. The Saviour
"Land Of The Free"のエピローグ的なインスト曲。勇敢な雰囲気が身に沁みる。
11. Abyss Of The Void
遥か大昔から、人々は平民を神とまで崇めることを好んだ。興味深いのは、偉大な英雄ですら最初は我々と同じであったということである。精神的な雰囲気ながらも、高潔な薔薇のような美しさを合わせ持つ。重厚な聖歌隊コーラスが存分に生きているといえる。
12. Time To Break Free
マイケル・キスクが歌う。彼はシリアスな楽曲を歌うのを好まなかったのであろうか?すべての人間にある程度のユーモアは必要であるし、真面目である必要もないのだ。
13. Afterlife
死後の世界は、人間にとって永遠の謎である。メロディアスな作風は魅力的。
14. Heavy Metal Mania
以下はボーナストラックである。2002年のリマスター再販の際に新たに追加された。
15. As Time Goes By
ハードロック的な雰囲気も持つ。
16. The Silence ('95 Version)
名曲のライヴ・ヴァージョンである。



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インサニティ・アンド・ジニアス

GAMMA RAY the 3rd album in 1993 Release
★★★★★★★☆☆☆...(佳作)

ガンマ・レイの1993年発表の3rd。

前作『Sigh No More』(1991)での失敗からか、原点回帰ともいえるサウンドを提示したのが本作『Insanity And Genius』である。冒頭を飾る強烈な名曲#1"Tribute To The Past"が、ガンマ・レイのこの分野におけるオリジネイターとしての実力を物語る。カイ・ハンセン(g)も、自身に与えられたメロディック・パワーメタルの始祖としての使命を感じ取ったのであろう。この方向性を更に追求すれば、素晴らしい傑作が生まれる。そのような期待感をも抱かせる本作である。
"天才と狂気は紙一重"という言葉の如く、ガンマ・レイのカイとダーク(g:ディルク・シュレヒター)は対照的に目覚しい活躍を見せる。二人の才能がガンマ・レイを支えているといっていいであろう。カイが天才なら、ダークは狂気であろうか(笑)。
なお本作は他の6枚のアルバムと共に2002年にリマスター再販され、ジャケットの変更とボーナストラックの追加が行われた。12曲目よりボーナストラックに該当する。


1. Tribute To The Past
スペイシーなメロディック・パワーメタルを体現して見せた名曲。この宇宙的な世界観が後の作品に繋がったのかも知れない。歌詞の中にも古代神話の影響を覗わせる単語が登場したりと、ガンマ・レイの方向性が定まりつつある印象を受ける。
2. No Return
3. Last Before The Storm
4. The Cave Principle
5. Future Madhouse
6. Gamma Ray
BIRTH CONTROLのカヴァー。バンド名はここから命名された。ガンマ・レイという名前は、如何にもメロディアスなへヴィメタルバンドらしく良いと長らく思っていた。覚え易いというのも注目だ。
7. Insanity & Genius
8. 18 Years
9. Your Tørn Is Over
10. Heal Me
およそ7分に及ぶ、右腕ダーク・シュレヒターが生み出した傑作。神秘的なピアノの旋律に合わせ、メロディアスに、オペラティックに展開していく。宇宙的な世界観は"Tribute To The Past"と対を成すといっていい。恰も小宇宙のような、劇的なメタル・オペラである。
11. Brothers
12. Gamma Ray
13. Exciter
14. Save Us



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サイ・ノー・モア

GAMMA RAY the 2nd album in 1991 Release
★★★★★★☆☆☆☆...(凡作)

ガンマ・レイの1991年発表の2nd。

我々がガンマ・レイに求めていたのは平凡な、興奮のないヘヴィメタルであったのか?どうやらカイ・ハンセン(g)は、自らの音楽性に躊躇し、方向性を模索していたらしい。ストレートなメロディック・パワーメタルのファンは、本作『Sigh No More』のヘヴィネスを強調したサウンドに驚き、暗澹たる世界観に不安を覚えるであろう。名作にあたる前作『Heading For Tomorrow』(1990)のファンにとっては大きな痛手だ。バンドにとって失敗作は少ない方が良いに越したことはないが、それでも作品を発表する意味があったのであろう。
なお本作は他の6枚のアルバムと共に2002年にリマスター再販され、ジャケットの変更とボーナストラックの追加が行われた。11曲目よりボーナストラックに該当する。


1. Changes
2. Rich & Famous
3. As Time Goes By
4. (We Want) Stop The War
5. Father And Son
6. One With The World
7. Start Running
8. Countdown
9. Dream Healer
ガンマ・レイの陽気なイメージを覆すような、邪悪なムードが覆う楽曲。出色の出来。
10. The Spirit
11. Heroes
12. Dream Healer
13. Who Do You Think You Are



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ヘディング・フォー・トゥモロウ

GAMMA RAY the 1st album in 1990 Release
★★★★★★★★☆☆...(名作)

ガンマ・レイの1990年発表の1st。

すべてのメロディック・パワーメタルの始祖ハロウィンを脱退したカイ・ハンセン(g)が結成したバンドこそ、ガンマ・レイである。音楽性はスピーディなメロディック・パワーメタルにオペラ的要素を配合したオーソドックスなもの。後にこれがスペース・オペラになったりするのは、また別の話だ。
細分化されたヘヴィメタルのジャンルにも教科書があるように、本作『Heading For Tomorrow』はジャーマン・メタルの偉大な教科書である。ドラマティックなイントロダクション#1"Welcome"に始まり、スピーディな名曲#2"Lust For Life"へと流れる。次いでノリのいい#3"Heaven Can Wait"が響く。バラードの#6"The Silence"で哀愁に浸り、最後を飾るのは大作の#9"Heading For Tomorrow"である。完璧なアルバム構成が存在するのだとしたら、本作はそうなのかも知れない。古典的なロックの時代から受け継がれてきた様式美である。不朽の名作とは昔からこういうものだ。
なお本作は他の6枚のアルバムと共に2002年にリマスター再販され、ジャケットの変更とボーナストラックの追加が行われた。11曲目よりボーナストラックに該当する。


1. Welcome
本作の序曲。
2. Lust For Life
かつて七色のギターリフと形容されたメロディックなパートが印象的な名曲。ガンマ・レイのアンセムである。
3. Heaven Can Wait
ヘヴィメタルでありながらも、キャッチーな雰囲気を醸す楽曲。クワイアが良い感じだ。
4. Space Eater
5. Money
6. The Silence
名バラード。オペラティックな手法が取り入れられた楽曲であり、後のガンマ・レイに大きく通じる。
7. Hold Your Ground
8. Free Time
9. Heading For Tomorrow
超大作に値する壮大なメタル・オペラ。カイ・ハンセンはこういったヘヴィメタルをプレイしたかったのであろう。
10. Look At Yourself
11. Mr. Outlaw
12. The Lonesome Stranger
13. Sail On



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スレッショルド

スレッショルド
(2006/10/25)
ハンマーフォール

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★★★★★★★★☆☆...(傑作) 
北欧の鋼鉄神との異名をとるハンマーフォールの6th。2006年発表。

彼らの欧州での人気はかなりのものであり、日本との温度差は激しい。しかし今作はそんな温度差をものともしない熱い作品に仕上がっている。

今作では前作の消化不良気味だった点を大幅に改善するばかりか、歴代のアルバムの中でも最高傑作に相応しい。堂々とした各楽曲群、重厚なサウンドは多くのピュアメタルファンを満足させるには十分だ。私も、ハンマーフォールに求めていた雄々しさやドラマ性が大幅に増加したこのアルバムは4thと並んでかなりの傑作に位置付ける。

楽曲の充実、完成度はまさに鋼鉄神に相応しい世界的なレベルの高さである。もはやこのジャンルではメジャーといってもいいほど洗礼されたサウンドは、一般のリスナーにメタルの魅力を訴えるのにも十分といえよう。
アルバム全編に渡り、特にサビでの重厚な漢らしいコーラス、シンガロングを誘うパートでの高揚感は突出している。中でも#1の威風堂々としたクアイアはアルバムの作風を代表して取り上げておこう。このように堂々と構えた、漢らしい正統派ヘヴィメタルは貴重な存在である。まして彼らのような完成度を誇るならなおさらである。


初期の彼らも十分な魅力を持っている。しかし本作が提示したスタイルは初期のそれとは異なっているように思える。本作はまさに純潔のヘヴィメタル、鋼鉄の分厚いリフの壁と雄々しいクアイアが形成する強力なヘヴィメタルだ。初期よりも遥かに重厚に進化してるのは確実である。

私がそうであったように、多くのファンが彼らのこのアルバムに溜飲が下がることだろう。私が聴いてきたメタルアルバムの中でも実にメタルらしいメタルである。見事な正統派メタルアルバムだ。



1. Threshold
コーラスを伴ったオープニングから重戦車の如くゆったりと疾走する雄々しきピュアメタル。円熟されたサビのコーラスは堂々とし、威厳を感じさせる。メタルの重さ、雄々しさを持った名曲である。正統派メタルとはこういう曲を言うのだ。北欧の鋼鉄神に相応しい。 
2. Fire Burns Forever 
ヘヴィに刻まれるリフにピュアなメロディが乗るという典型的なピュアメタルチューン。親しみやすさを唱えながらも、勇ましさに満ちたサビのコーラスは最高に冴える。
3. Rebel Inside 
静かでメロディアスなイントロからドラマ性に満ちて、行進する曲。重厚感と威厳に満ちた堂々のミドルテンポである。後半に魅せるピュアなソロも見事だ。
4. Natural High 
疾走感に溢れたリフとヘヴィネスが交錯する佳曲。やはりここまで聞いてみても本作の充実ぶりは目覚ましい。楽曲の洗礼されたサウンド、完成度の高さには舌を巻くというものだ。メタルのピュアな部分とヘヴィな部分の融合は絶妙だ。
5. Dark Wings, Dark Words 
ややバラード調のスローチューン。サビでのコーラスの放つスケール感は巨大。 
6. Howlin' with the 'Pac 
シンプルなリフとメロディで攻める曲。完成度は依然として高い。
7. Shadow Empire 
ドラマティックなメロディとピュアなヒロイズムに満ちた名曲。期待感を高めるブリッジパートからサビの重厚なクアイアへの流れは見事としか言いようがない。至る個所にフックのあるメロディが配置されているが、最も印象的なのは後半からのドラマティックな展開だろう。ソロパートのツインリードメロディは余りに熱く、ヒロイックだ。劇的である。
8. Carved in Stone 
鋼鉄の戦士ともいうべき厳かなコーラスとシンフォパートから劇的極まりないヒロイックリフへと展開する大作。楽曲に漂う漢らしさ、勇壮な雰囲気は堂々としており圧巻といえる。この曲にはドラマティックメタルの見本という言葉が相応しかろう。いやそれよりも鋼鉄で武装した戦士に相応しいというべきか。
9. Reign of the Hammer 
怒涛のヒロイズムを放つ傑作インストゥルメンタル。勇ましいメロディが重厚なリズムとともに次々と繰り出されていく様は圧巻である。戦士のロマンすら感じるインストだ。
10. Genocide 
ハンマーフォールの焼印が押された劇的なピュアメタル。勇壮さが滲み出る曲だ。タイトルもクール。スケール感漂う戦士的なコーラスの多様、ピュアなメロディの扇情力は凄まじい。最高の高揚感を齎してくれる名曲である。
11. Titan 
とてつもなくメタリックかつ重厚感あふれるリフが織りなす本編ラストトラック。序盤はミドルテンポで行進していくが、しかしそれも束の間、ヒロイックな高揚感に焼印を押された圧巻のサビへと突入する。その後劇的な展開が早急に開始され、アルバムのエンドロールとでもいうような雄々しいシンガロングパートへと入り、その圧倒的な高揚感には感動すら覚える。アルバム全体のドラマ性に満ちた流れに対し、正統派メタルとはこうあるべきだと思う。 
12. Fire Burns Forever Sp 
名曲#2のスピーディバージョン。スピード感が高揚感をさらに高める結果になっている。
13. Raise The Hammer
こちらも3rdの名インストのライブ盤。出来すぎたボーナスだ。
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