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「REVIEW -EPIC METAL- 」カテゴリ記事一覧


OMEN 「Battle Cry」

Battle Cry


Country: United States
Type: Full-length
Release: 1984
Reviews: 78%
Genre: Epic Metal


アメリカのエピック・メタル古参、オーメンの1984年発表の1st。


1984年、かの有名な初期「Metal Blade Records」から発売されたオーメンの第1作『Battle Cry』。オーメンは、1983年、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで結成された。中心人物は、ヴォーカルのJ.D.キンボール(J.D. Kimball:vo)、ギタリストのケニー・パウエル(Kenny Powell:g)だった。

オーメンの音楽のスタイルは、NWOBHM影響下の正統派ヘヴィメタルであり、そこに「剣と魔法」(Swords and Sorcery)の要素を加えたものだった。アイアン・メイデン(Iron Maiden)やマニラ・ロード(Manilla Road)などのサウンドとも類似していた。所謂、エピック・メタルという音楽のスタイルだったが、ファンたちからそこを指摘されるのは、後のことだった。

この『Battle Cry』という作品は、オーメンの典型的なヘヴィメタルを確立させるために、既に充分な存在感を持っていた。チープだがスピード感溢れる楽曲、勇壮な雰囲気、ストーリーテリングな展開。これらが『Battle Cry』の中で融合し、オーメンは、当時のアンダーグラウンド・シーンで一躍有名となった。

また、オーメンは、80年代のアメリカ出身という部分で、他の初期エピック・メタル・バンドたちと比較されることが多かった。例えば、この『Battle Cry』は、マニラ・ロードの『Crystal Logic』(1983)とも比較された。その理由は、前述の通り、音楽のスタイルが類似していたためだった。



1. Death Rider
2. The Axeman
3. Last Rites
4. Dragon's Breath
5. Be My Wench
6. Battle Cry
7. Die by the Blade
8. Prince of Darkness
9. Bring Out the Beast
10. In the Arena


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ETERNAL CHAMPION 「Parallel of Death」

Parallel_of_Death.jpg

Country: United States
Type: EP
Release: 2017
Reviews: 83%
Genre: Epic Heavy Metal


アメリカ・テキサス州出身のエピック・ヘヴィ・メタル、エターナル・チャンピオンの2017年発表のEP。


アメリカのアンダーグラウンド・エピック・メタル・シーンは、エターナル・チャンピオンの成功によって、大いに盛り上がることとなった。バンドが第1作『The Armor of Ire』(2015)を発表すると、直ぐに世界中から熱狂的な返答があった。そして、エピック・メタルというジャンルは、新たな時代へと突入したのだった。

2017年、エターナル・チャンピオンが発表したEP『Parallel of Death』は、2曲のカヴァーを収録した、自主制作の作品だった。これに関しては、全部で250個のカセットが配られたのみだった。

『Parallel of Death』に収録されたのは、レジェンド(Legend)の"The Destroyer"、ミスティック・フォース(Mystic Force)の"Awakened by the Dawn"であり、どちらもバンドのルーツを探るためには、重要な役割を担っていた。何れの楽曲も、オリジナル・バージョンを遥かに上回る、容赦のないエピック・メタル・サウンドで表現されている点が特徴だった。

実際のところ、エターナル・チャンピオンというバンドは、中心人物のジェイソン・ターペイ(Jason Tarpey:vo)自らがエピック・メタルのマニアであることを公言し、徹底的にファンたちが満足するサウンドを作り上げてきた。そして、そのヒロイックかつドラマティックなサウンド・スタイルの背景には、エピック・メタル初期のバンドたちからの影響があった。

例えば、アメリカのレジェンドというバンドも、エピック・メタルのジャンルの創造に貢献した偉大な存在だった。レジェンドが残した第1作『Fröm the Fjörds』(1979)は、マニラ・ロード(Manilla Road)やキリス・ウンゴル(Cirith Ungol)以前の叙事詩的なロック音楽として、アンダーグラウンド・シーンのマニアたちから崇められてきた。この『Parallel of Death』の中で、そうしたエピック・メタル初期に焦点を合わせたことからも、エターナル・チャンピオンが原理主義者であるという事実は揺るぎなかった。



1. The Destroyer (Legend cover)
2. Awakened by the Dawn (Mystic Force cover)


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ETERNAL CHAMPION 「The Armor of Ire」

The Armor of Ire


Country: United States
Type: Full-length
Release: 2016
Reviews: 89%
Genre: Epic Heavy Metal


アメリカ・テキサス州出身のエピック・ヘヴィ・メタル、エターナル・チャンピオンの2016年発表の1st。


2016年、ギリシャのアンダーグラウンド・レーベル、「No Remorse Records」から発売されたエターナル・チャンピオンの第1作『The Armor of Ire』は、瞬く間に世界中のエピック・メタル・ファンたちを魅了した。既にバンドは、デモ『The Last King of Pictdom』(2013)の時点で、アンダーグラウンド・シーンのマニアたちから大きな注目を集めていたが、続くカナダのゲートキーパー(Gatekeeper)とのスプリット盤『Retaliator / Vigilance』(2015)の発表によって、期待は現実へと変わった。

TheArmorofIre.png

エターナル・チャンピオン──2012年のアメリカ合衆国テキサス州オースティンで結成されたバンドは、スラッシュ・メタル・バンド、アイアン・エイジ(Iron Age)で活躍したジェイソン・ターペイ(Jason Tarpey:vo)を中心として、そこにパワー・トリップ(Power Trip)のリード・ギタリスト、ブレイク・アイバニーズ(Blake "Rossover" Ibanez:g)が加入して基盤が作られた。その後、バンドは、トラディショナル・ヘヴィ・メタル・バンド、シュメールランズ(Sumerlands)のメンバーであるアーサー・リスク(Arthur Rizk:b、d、key)、ヌジョン・パワーズ(Nujon Powers:g)、ハンマーホーア(Hammerwhore)のカルロス・ラナス(Carlos Llanas:g)を迎えた。エターナル・チャンピオンにとって、多彩な楽器を操れるアーサー・リスクの加入は大きかった。

かくして、メンバーが整ったエターナル・チャンピオンは、世界中のエピック・メタル・ファンたちが期待していた、本物のオリジナル・アルバムの制作に着手した。ここでバンドが目指したのは、80年代のトラディショナル・エピック・メタルをシーンに復活させることだった。言うまでもなく、それはNWOTHM(New Wave Of Traditional Heavy Metal)を背景とした流れだった。

実際のところ、エターナル・チャンピオンのメンバーたちは、NWOTHMのムーブメントを経て、このバンドの結成へと辿り着いた。だからこそ、全世界のラウド・ミュージック史における、80年代のエピック・メタルの重要性も理解していた。

かつて、このジャンルは、欧州とアメリカのアンダーグラウンド・シーンを席巻し、一時代を築いた。マニラ・ロード(Manilla Road)、キリス・ウンゴル(Cirith Ungol)、マノウォー(Manowar)、ヴァージン・スティール(Virgin Steele)、ブローカス・ヘルム(Brocas Helm)、ウォーロード(Warlord)、ダーク・クォテラー(Dark Quarterer)、アドラメレク(Adramelch)などのバンドたちが、世界各地のアンダーグラウンド・シーンから登場し、ファンたちは熱狂した。既にエターナル・チャンピオンは、その熱狂を新時代に築く実力と影響力を兼ね備えていた。

さて、2016年、遂に『The Armor of Ire』を完成させたエターナル・チャンピオンに対する、ファンたちや音楽シーンからの反響は、予想を遥かに上回るものだった。この『The Armor of Ire』は、「2010年代における最高のエピック・メタル・アルバム」と紹介され、世界中のレビュー・サイトやSNS上で次々と情報が交換された。例えば、約10万点のレビューを掲載する海外の巨大HR/HMファン・サイト、「The Metal Archives」では、『The Armor of Ire』に無数のレビューが付き、その殆どは85%を超える評価だった。

称賛に次ぐ称賛──正に飛ぶ鳥を落とす勢いで、エターナル・チャンピオンは、アンダーグラウンド・シーンの王座へと上り詰めた。驚くことに、バンドは、一枚のデモとスプリット盤、オリジナル・アルバムしか出していなかった。

エピック・メタルの曙──そう呼ぶに相応しいバンドが登場した。エターナル・チャンピオンによって、長きに渡り平穏を貫いてきたエピック・メタル・シーンは、遂に世代交代をした。



1. I Am the Hammer
2. The Armor of Ire
3. The Last King of Pictdom
4. Blood Ice
5. The Cold Sword
6. Invoker
7. Sing a Last Song of Valdese
8. Shade Gate


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ETERNAL CHAMPION 「Retaliator / Vigilance」

Retaliator_Vigilance.jpg

Country: United States
Type: Split
Release: 2015
Reviews: 90%
Genre: Epic Heavy Metal


アメリカ・テキサス州出身のエピック・ヘヴィ・メタル、エターナル・チャンピオンの2015年発表のスプリット盤。


この『Retaliator / Vigilance』という作品は、カナダの新人エピック・メタル・バンド、ゲートキーパー(Gatekeeper)とのスプリット盤であり、「No Remorse Records」から発売された。本作を発表したことで、エターナル・チャンピオンは、アンダーグラウンドのエピック・メタル・シーンにおける最重要バンドであると、ファンたちから認識された。それ程までに、この『Retaliator / Vigilance』は、衝撃的な内容であり、2010年代のエピック・メタル・シーンの流れを一変させることとなった。

『Retaliator / Vigilance』が有していたのは、2組の将来有望なエピック・メタル・バンドの楽曲だけではなかった。ここに描き出されていたのは、エピック・メタルという音楽の未来、そして、理想像に他ならなかった。

過去、マニラ・ロード(Manilla Road)、キリス・ウンゴル(Cirith Ungol)、マノウォー(Manowar)、ブローカス・ヘルム(Brocas Helm)、ソルスティス(Solstice)、バトルロア(Battleroar)などの偉大なバンドたちが築き上げてきた、エピック・メタルというジャンル。その長き歴史と伝統を踏襲した、現代のエピック・メタルの姿形がここにあった。

80年代ヘヴィ・メタルへのリスペクトを伝える熱きNWOTHM的サウンド、徹底してヒロイックな世界観や音作り、ドラマ性を極めた楽曲の展開。この『Retaliator / Vigilance』の中に表現されたエピック・メタル像は、その後、シーンにおける重要な基準となった。

エピック・メタル・リヴァイヴァル第二期──それは、ここから始まった。



1. Eternal Champion - Ride for Revenge
2. Eternal Champion - Retaliator
3. Gatekeeper - Vigilance Part I
4. Gatekeeper - Angelus Noctium
5. Gatekeeper - Vigilance Part II
6. Eternal Champion - The Last King of Pictdom
7. Eternal Champion - War at the Edge of the End
8. Gatekeeper - Tale of Twins (demo)
9. Gatekeeper - Vigilance (demo)
10. Gatekeeper - Field of Dreams (demo)
11. Gatekeeper - The King's Ghost


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ETERNAL CHAMPION 「The Last King of Pictdom」

Last King of Pictdom


Country: United States
Type: Demo
Release: 2013
Reviews: 85%
Genre: Epic Heavy Metal


アメリカ・テキサス州出身のエピック・ヘヴィ・メタル、エターナル・チャンピオンの2013年発表のデモ。


2012年、アメリカ合衆国テキサス州オースティンで結成されたエターナル・チャンピオンは、デモ『The Last King of Pictdom』を制作し、「Swords and Chains Records」から発売した。すると、直ぐに世界中のアンダーグラウンド・エピック・メタルのファンたちから、驚異的な反響を得ることとなった。

このデモ『The Last King of Pictdom』に収録された2曲は、何れも強烈なエピック・ヘヴィ・メタルであり、ファンたちは、エターナル・チャンピオンの背景にマニラ・ロード(Manilla Road)やロンギングス・パスト(Longings Past)の影を見出した。

伝統的なヒロイック・ファンタジーに傾倒した世界観、及びメタリックかつドラマティックなサウンドは、かつての80年代頃のエピック・メタルそのものだった。当然のように、エターナル・チャンピオンが影響を受けてきた作家たちは、ロバート・E・ハワードやマイケル・ムアコックなどの、既にエピック・メタル・シーンではお馴染みの顔触れだった。

結果的に、『The Last King of Pictdom』の発表を皮切りに、エターナル・チャンピオンは、2010年代で最も将来を期待される、若手エピック・メタル・バンドとなった。そして、このバンドが、エピック・メタル・シーンの未来を担う存在であると、ファンたちは語り合った。



1. The Last King of Pictdom
2. War at the Edge of the End


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ISEN TORR 「Mighty & Superior」

Mighty & Superior


Country: United Kingdom
Type: EP
Release: 2004
Reviews: 89%
Genre: Epic Heavy Metal


イギリス産カルト・エピック・メタル、アイセン・トールの2004年発表のEP。


「ロバート・E・ハワードの思い出に捧ぐ」
 ──Richard M. Walker


恰も古代・中世時代の栄光に彩られた英雄叙事詩の如く、未曾有の悲劇によって、誰もが予想しない結末を迎えることがある。2003年、イギリスで結成されたこのアイセン・トールも、そうした悲劇の目撃者となったバンドだった。

Mighty Superior

アイセン・トール──"アングロ・サクソン・バトル・メタル"(Anglo-Saxon battle metal)を標榜したバンドは、ソルスティス(Solstice)の伝説的ギタリスト、リッチ・ウォーカー(Richard M. Walker:g)、ファルコン(Falcon)やデスティニーズ・エンド(Destiny's End)などで活躍したペリー・グレイソン(Perry Grayson:g)、トゥイステッド・タワー・ダイア(Twisted Tower Dire)の名シンガー、トニー・テイラー(Tony Taylor:vo)、リチュアル・スティール(Ritual Steel)のマーティン・ツェルマー(Martin Zellmer:d)、ルーンソード(Runesword)のオリバー・ズルケ(OliverZühlke:b)をメンバーとして、3部作のEPの制作を目指した。

最初に完成したEP『Mighty & Superior』は、その圧倒的なクオリティの高さから、瞬く間に、世界中のエピック・メタル・ファンたちを魅了した。驚くことに、この『Mighty & Superior』に収録されていたのは、"Mighty & Superior"と"The Theomachist"の2曲のみだった。しかし、アンダーグラウンドのエピック・メタル・ファンたちにとって、過去の叙事詩作品や幻想文学の圧倒的な知識を持つリッチ・ウォーカーが生み出した楽曲が、名曲にならないはずがなかった。

実際のところ、"Mighty & Superior"と"The Theomachist"の2曲は、伝統的なエピック・メタルやドゥーム・メタルの要素を持っていた。所謂、ペイガン・メタル的な土着的メロディや雰囲気もあったが、それは強烈なバンド・コンセプトからの影響だった。アイセン・トールは、この楽曲だけで、欧州のエピック・メタル・シーンに計り知れない衝撃を与えた。「カルト・エピック・メタルのマスターピース」──『Mighty & Superior』は、ファンたちからそう呼ばれることとなった。

しかし、アイセン・トールという奇跡的なバンドは、2010年、突如として活動停止を強いられた。その理由は、ヴォーカリスト、トニー・テイラーの急死だった。アメリカのウェストヴァージニア出身の偉大なメタル・シンガーは、EP3部作の完成を前にして、42歳という若さでこの世を去った。その結果として、バンド側は、活動の無期限休止を発表した。

かくして、また一つ、大いなる可能性を持ったエピック・メタル・バンドが、アンダーグラウンド・シーンから姿を消した。バンドのファンたちは、悲嘆に暮れたが、どうしても人間の死というものは、覆ることがなかった。正にこの作品も、エピック・メタルというジャンルが生み出した、一瞬の夢や思い出に過ぎなかった。

尚、本作は、2004年にドイツの「Metal Supremacy」から発売。その後、2008年に「Shadow Kingdom Records」から再発。その際、"The Theomachist"のデモ音源が追加収録された。



1. Mighty & Superior
2. The Theomachist


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MARAUDER 「Face the Mirror」

Face the mirror


Country: Greece
Type: Full-length
Release: 2008
Reviews: 87%
Genre: Epic Heavy Metal


ギリシャ産エピック・ヘヴィ・メタル、マローダーの2008年発表の4th。


1990年、ギリシャのアテネで結成されたマローダーは、エピック・メタルというジャンルの中で、非常に古い部類に入るバンドだった。当時、ギリシャ圏でエピック・メタルに該当するバンドの数は少なく、それだけでマローダーという存在が、アンダーグラウンド・シーンのファンたちにとって、深い意味を持つこととなった。

マローダーは、3つのデモ『Try to Live』(1991)、『The Die Is Cast』(1993)、『Promo '95』(1995)を制作した後、ようやくデビューを飾った。第1作『Sense of Metal』(1997)は、典型的なマノウォー(Manowar)型のエピック・メタルであり、直ぐにファンたちの心を掴んだ。

しかし、マローダーの転機となったのは、コンセプト・アルバム『1821』(2000)だった。「ギリシャ独立戦争」(Greek War of Independence)を題材としたこの作品は、バンドのポテンシャルの高さ、エピック・メタルに対する情熱の深さを強調しており、世界中のエピック・メタル・ファンたちから絶賛された。その結果として、マローダーは、一躍ギリシャのエピック・メタル・バンドのトップへと上り詰めたのだった。

さて、この『Face the Mirror』という作品は、マローダーにとって、極めて重要な存在だった。これまでのバンドのポテンシャルの高さを最大限に活かし、そこにクラシックなエピック・メタル・バンドたちのエッセンスを融合させたのが、本作のサウンドに他ならなかった。具体的には、キリス・ウンゴル(Cirith Ungol)の不朽の名作『Paradise Lost』(1991)を踏襲したサウンドが、本作の主軸になっていた。

また、マローダーのエピック・メタルの特徴として、オーメン(Omen)のような疾走感もあった。そこに加わってくるのが、ブローカス・ヘルム(Brocas Helm)並みのメロディックなギター・ワークだった。ドラマティックな展開やエピックな雰囲気は、マニラ・ロード(Manilla Road)からの影響だった。

こうした偉大な先人たちの要素を受け継ぎ、今回、マローダーは、自らの理想とする劇的なエピック・ヘヴィ・メタルを作り上げた。全く隙のない、容赦のない、純粋なエピック・メタルの勇壮なサウンドが、本作では楽しめた。

正に円熟期を迎えたギリシャのマローダーに、敵はいなかった。丁度この頃、地中海諸国では、NWOMEMのムーブメントが巻き起こっていた。その強烈な勢いを身に纏って、マローダーは、ここに唯一無二の傑作を誕生させた。



1. Who Am I?
2. I Am (the One)
3. Face the Mirror
4. Hearts Made of Steele
5. Nemesis
6. Born to Rock
7. Naya
8. Dark Riders
9. The End of a Madman
10. Faraway
11. The Beast Is on the Highway
12. Until We Fall


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MARAUDER 「Life?」

MARAUDER - LIFE ? (1 CD)


Country: Greece
Type: Full-length
Release: 2004
Reviews: 83%
Genre: Epic Heavy Metal


ギリシャ産エピック・ヘヴィ・メタル、マローダーの2004年発表の3rd。


ギリシャの「Eat Metal Records」から発売されたマローダーの第3作『Life?』は、前作『1821』(2000)の成功でバンドに期待していたエピック・メタル・ファンたちを、決して裏切らない内容だった。本作では、よりスケールアップしたバンドのエピック・メタル・サウンドが充分に楽しめた。その背景には、マノウォー(Manowar)、マニラ・ロード(Manilla Road)、キリス・ウンゴル(Cirith Ungol)、オーメン(Omen)、ブローカス・ヘルム(Brocas Helm)などのバンドたちからの影響があった。

傑作『1821』で完成されたマローダーのサウンド・スタイルは、この『Life?』の中でも生き続けていた。詰まるところ、マローダーは、メロディックなギター・ワークを中心に楽曲を展開し、そこに大仰なコーラス・パートや劇的なムードを加えた。そして、重厚感が増したサウンドは、本作をより本格的なトラディショナル・エピック・メタルへと押し上げた。

やはり、マローダーは、マノウォーやオーメンなどのバンドの要素が強く、エピックなムードの中にある疾走感が、それを雄弁に物語っていた。ギター・ソロは、熱い高揚感を放ち、流れるようにヒロイックなコーラス・パートを導入する楽曲群。特にタイトル・トラック"Life"は、アコースティック・パートから劇的に盛り上がっていく、エピック・メタルの基本だった。

世界中のエピック・メタル・ファンたちが、思わず拳を掲げたくなるような、勇壮な楽曲の数々。マローダーは、そうした伝統的なエピック・メタルの世界観を継承し、ギリシャから世界のアンダーグラウンド・シーンへと、不滅の魂を送り届けた。



1. Intro
2. Power from the Sky
3. Nightmare
4. Magic Art
5. Life
6. Bastards
7. Evil Curse
8. Runner
9. Defenders
10. In the Middle of Time
11. Falling Star
12. Death from Glory and Gold
13. Nuclear Terror


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MARAUDER 「1821」

1821


Country: Greece
Type: Full-length
Release: 2000
Reviews: 86%
Genre: Epic Heavy Metal


ギリシャ産エピック・ヘヴィ・メタル、マローダーの2000年発表の2nd。


エピック・メタルというアンダーグラウンド・シーンを代表するジャンルは、80年代初期に登場して以来、多種多様なバンドが演奏し、無数の世界観を追求してきた。その背景には、ヒロイック・ファンタジーや英雄叙事詩などのメイン・コンセプトがあり、全てのエピック・メタルの礎となっていた。また、場合によっては、歴史や文学、伝説や神話なども、このジャンルの中で扱われた。

ギリシャのアテネ出身のマローダーの試みは、純粋なエピック・メタルの中で、1821年に開始された、トルコ人に対するギリシャ革命の歴史の顛末を描き出すことだった。一般的に、「ギリシャ独立戦争」(Greek War of Independence)として知られるこの出来事は、オスマン帝国からの独立を掲げたギリシャ人たちの戦いだった。そして、マローダーは、叙事詩的な『1821』という作品を通して、どのようにして、ギリシャ人が自由を勝ち取ったのかを説いた。

この『1821』のサウンドの基礎は、メロディアスなギター・ワークやソロ・パートの中にあった。重厚で叙事詩的な雰囲気が支配する本作では、特にメロディに重点を置いたパートが目立っていた。その勇ましくも哀愁を帯びたメロディは、マローダーのエピック・メタルを確立させる要素となり、シリアスなコンセプトの中で、圧倒的な存在感を放つこととなった。そして、素晴らしいメロディに彩られた『1821』は、多くのエピック・メタル・ファンたちにとって、直ぐに忘れられない存在となった。

結果的に、ギリシャ独立戦争を経て、この国は自由になったが、それは、人々の視野を広げるきっかけに過ぎなかった。しかし、戦争の中では、オスマン帝国、ギリシャ、イギリス、フランス、ロシア人たちの血が大量に流された。その濁った血や屍の山の果てに、遂にギリシャは、独立を勝ち取ったのだった。今では、1821年3月25日がギリシャの独立記念日となっていた。

マローダーは、自らの民族のルーツをメイン・コンセプトに選択したことで、サウンド的に大きな成功を収めた。自由を求め戦ったギリシャ人たちの歴史を背景とした叙事詩音楽──それが、マローダーが『1821』で作り上げた世界観だった。自由、戦争、血、勝利。エピック・ヘヴィ・メタルの本質がここにあった。



1. Hellas, Land of the Immortals
2. The Greek Revolution Begins
3. Free Like an Eagle
4. Faces in the Sky
5. The Return of the Warrior
6. Two Eyes in the Dark
7. The Firebrands
8. Red Sea
9. God's Will
10. Cry for the Glorious Town
11. Heroes Fight Like the Greeks


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MARAUDER 「Sense of Metal」

Sense of Metal

Country: Greece
Type: Full-length
Release: 1997
Reviews: 77%
Genre: Epic Heavy Metal


ギリシャ産のエピック・メタル、マローダーの1997年発表の1st。


今は亡きギリシャのレーベル「Live Music」から発売されたマローダーの第一作『Sense of Metal』だが、この国のヘヴィメタルに掛ける情熱は本物だった。マローダーは、ギリシャのアテネ出身であり、1990年に結成された。同国のイグゾリスティ(Exoristoi)、リフレクション(Reflection)、クラッシュ(Crush)などのバンドと並ぶ、最古に位置するエピック・メタル・バンドだった。

他の多くのエピック・メタル・バンドたちと同じように、このマローダーもマノウォー(Manowar)から強い影響を受け、ヒロイックなサウンドを追求した。『Sense of Metal』の中には、トラディショナルなエピック・メタルとドラマティックなサウンドが詰め込まれていた。しかし、アンダーグラウンド・バンドの一つの宿命として、チープな音質を消し去ることはできなかった。

マローダーの特徴は、マノウォーにも通じる重厚なコーラス・パートを多用し、薄い音像を重厚にしている部分だった。この意欲的な挑戦によって、チープなサウンドは上手く処理されていた。更にメタリックでエピックなギター・ワークからは、バンドの成長を期待させる部分を感じさせた。しかし、本作の中で、それが完全に花開くことはなかった。

尚、本作は、2005年に「Eat Metal Records」から再発。1991年に発表したデモ音源『Try to Live』が追加収録された。



1. Intro
2. Faster Than Thunder
3. For Us Metal Is Enough
4. Born Again
5. Sense of Metal
6. Homicide
7. Fly into a Perfect Dream
8. Classics Never Die
9. Say It Again
10. Fire to the Fraud



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New Release (Epic Metal)

Times of Obscene Evil..

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"The New Epic Metal Album"

Grey Maiden -Ep-

by Gatekeeper (mini album)
"The New Epic Metal Album"

The Armor of Ire

by Eternal Champion (1st album)
"The New Epic Metal Album"

CODEX EPICUS

by Battleroar (5th album)
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Conqueror's Oath

by Visigoth (2nd album)
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METAL EPIC Books

叙事詩的なヘヴィメタルの歴史

音楽論『叙事詩的なヘヴィメタルの歴史』Kindleストアにて発売中。約5年間に渡るエピック・メタル研究の集大成。主要バンドの紹介、歴史の解説、幻想文学との関連性、エピック・メタル・ルーツへの言及など、アンダーグラウンド・シーンを紐解いた衝撃のヘヴィメタル史。

ハイパーボリア全集

拙著『ハイパーボリア全集』、『ハイパーボリア全集2』、『ツチョ・ヴァルパノミの炎の王国』、『最後の理想郷』、『探索者』、『ツァトゥグアの祠』、『イグの神殿』、『オルグリアス』、『ファルナゴスの遺産』、『イックアの妖術』、『ズロヒムの死』、『失われた先史』Kindleストアにて発売中。1930~1950年代頃の『Weird Tales』誌やクトゥルー神話群を踏襲した幻想怪奇短篇集。
The Master

コスマン・ブラッドリー博士

Author:コスマン・ブラッドリー博士


Cosman Bradley(16/06/10)
David Orso(16/06/10)
Daiki Oohashi(16/06/10)
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